「明日、栃木の陸運局に行くんだけどさ」
「そう、気を付けて行ってらっしゃい」
「前泊、泊まりで行くんだ」
「そう、じゃキャバクラで女でもかまってくれば?」
「おもしろそうなとこ見つけたんだ」
「そう、写メでも送って」
「お猿さんのいる居酒屋なんだけど」
「行くっ!!」
てなアンバイで、辿り着いた所は、こんなとこ。
お店に向かう前に
「お猿さん、いますか?」
って確認の電話をしてみたら
「お猿さん、大丈夫です」
って返事に、期待感急上昇。
「自動ドア」って書いてあるのに手動の扉を開けると
きっとお猿さんが出迎えてくれるのね。
お猿さんと対面すべく、呼吸を整え
扉に手をかけ、ユックリユックリ………
お猿さ~ん。
お猿さ~~ん。
びびった。マジびびった!!
何か、見ちゃイケナイの見ちゃったかと思った!!
ビクッ……ってなった。
咄嗟に逃げの体勢になった。
お店のお父さんの「いらっしゃい」の声で我に返る。
「可愛いでしょ?俺が作ったんだ」
どうやら、お父さん手作りのお面らしい。
お世辞にも「可愛い」とは思えない正直者の私。
スゴ~イ!!とだけ大袈裟に言って
お猿さんが視界に入らないお席を選んだ。
ビールとウーロン茶と餃子と串焼きと……
思いつくモノを注文して、運ばれてくるのを待ってると
お料理よりも先に、ちっちゃいbabyが運ばれてきた。
私の指を、食べ物と勘違いして
一生懸命ガジガジしてた。
最初は互いに警戒し合った両者だったけど
イジワルなことされないと知ると
背中に飛び乗る大サービス。
babyを抱っこさせてくれた。
「オシボリください」というと、持ってきてくれるお猿さん。
苦手なモノは、酔っ払いなんだって。
ちょっと楽しい宇都宮の夜でした。