4日の夜に何か美味しいモノでも食べに行こう
という約束を、ものの見事に忘れられ
翌日5日のバイクの予定は
私の方がすっぽかしてやろう…と企てていた。
「集合場所に予定の時間まで現れなかったら
お留守番だと思ってください」
とメールを打って、行かないツモリの私は
存分に夜更かしを楽しんだ。
明け方5時。
ウトウトし始めた私を起こす着信の音。
出ようか出まいか迷っている内に切れて
切れたと思ったら、またスグに携帯が鳴った。
仕方なく電話を取ると
「行くよ、早く準備して!!」
と、いつも通りの急で強引な誘い。
いや、今日は留守番するし。
頑なに行かない姿勢を崩さない私に
彼がこんなことを言った。
「オレンジマッハ、胃癌見つかって
今日が入院前の最後の日なんだよ」
……ったく…
どうしてそういう大事なことを
前もって言わねぇんだよ……。
大急ぎで支度して
お迎えマッハに跨りました。
今日の目的地の相談開始。
気になるのはお天気の行方。
候補地の天気予報を調べ、改めて出発。
正解。こんなに晴れてる!!
今も再開のメドが立たず
海岸付近の飲食店の殆どがシャッターを閉めたまま。
窓ガラスが割れたままのお店や
津波に遭ったであろう錆びた数台の車や
「立ち入り禁止」のテープが張り巡らされた漁港。
漁港のスグ裏手に位置する市場食堂で
海の幸満載のお昼ご飯を済ませ
午後の暖かい陽射しの中で思い思いの時間。
「俺、バイク乗れなくなったら
胃癌の前にストレスで死ぬよな」
そんな簡単に死なせねぇよ。
病院抜け出すぐらい
ミンナが手伝ってヤルって。